5月20日の特別授業は、愛知大学の須川妙子先生に、「和菓子の文化史にみる遊び心」というテーマで授業を行っていただきました。
和菓子は日本の伝統的な菓子のことですが、実はそれらは外来文化を基礎にしたものです。特に、中世に禅宗とともに中国から伝わってきた「点心」と近世に西ヨーロッパから伝わってきた「南蛮菓子」は、「和菓子」の基礎となりました。
油を使わず、蒸したお菓子である点心のうち「饅頭」は、包んで、形づくる和菓子の基本形です。日本の饅頭の系統のひとつである「塩瀬系饅頭(山芋を使った饅頭)」を生み出した林浄因は、今では「和菓子の神様」として祀られています。
「南蛮菓子」は、卵や乳といった新材料、オーブンという新技術、色彩や形にこだわる芸術的要素を和菓子にもたらしました。これをきっかけに、菓子の多様性が広がり、日本国内では甘さを追求するため砂糖の製造が始まりました。
その後、和菓子は「茶の湯」と出会い、種類分けや食べ方、芸術的要素の取り込みなどによって大成していきます。
和菓子は食べ物で、食文化のひとつですが、他の領域からも芸術的要素を取り込んでいます。食べる人には、「菓子職人が何を表現し、何を伝えたかったのか」を読み取る力が必要なのです。同じ菓子でも異なる表現ができたり、和菓子職人は客の好みを汲み取って菓子に反映させたりと、芸術や流行を理解する教養がとても大切です。
授業では、和菓子に名前を付けたり、和菓子をデザインしてみるといった体験も行われました。学生は、左上の橙色の和菓子に対し、「夕陽」「朝焼け」「刺身」など、多様な名前を考え楽しむことができました。
和菓子といえば、とても「日本的な」文化であるというイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし実は多くの外国文化を基礎に発展したもので、その独自の発展に「日本らしさ」が見受けられることを、とても面白く感じました(日本語学科4年 O.M)。

