5月17日の特別授業では、現在訪問教授として東海大学にいらっしゃっている愛知県立大学外国語学部の東弘子先生に「日本語は誰のもの?-日本社会の多文化化から考える-」というテーマで「やさしい日本語」について授業を行っていただきました。
「やさしい日本語」とは、「難しい言葉を言い換えるなど、相手に配慮したわかりやすい日本語」のことです。日本では現在、外国人住民が増えていながらも、日本語教育や多言語化が間に合っていないために、「やさしい日本語」の使用を推し進めています。
「やさしい日本語」の研究は、1995年の阪神淡路大震災で「日本語がわからず、外国人住民に情報が伝わらなかった」ことをきっかけに始まりました。緊急時や医療現場・行政・公共施設での対応のために、「やさしい日本語」という取り組みやすい手段がとられています。「相手にこの情報を伝える意味」を考えて表現することが大切です。
授業では、やさしい日本語に言い換えた例として、地震のニュースが紹介されました。では、このような「やさしい日本語」の使用について、日本社会はどのように捉えているのでしょうか。東先生は、「日本人」が「多様な日本語」を受容する上で、2つの問題があるといいます。
一つ目は、日本社会では、「状況に適した表現をすること」を「わかりやすさ」よりも重視される傾向にあることです。二つ目は、公式の場で使われている日本語以外を「正しくない」と思い込んでいる人がいることです。以下の3種類の日本語は、写真の左から「方言」「普通の日本語」「やさしい日本語」であり、全て実際に使われている日本語です。そのためすべて「本物の日本語」です。
授業テーマの「日本語は誰のもの?」という問いかけに対する答えは、「日本語は日本人だけのものではなく、日本語を使うみんなのものだ」。色々な日本語があることを知る必要があります。「やさしい日本語」の考え方において最も重要なのは、「必要な情報を必要な相手に伝える」「目の前の人と最も話すことができる」ことです。「やさしい日本語」を取り巻く状況を通じて、情報保障やコミュニケーションのためにどのような手段をとるべきなのかを考えることができる特別授業でした(日本語学科4年 O.M)。

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