2024年10月24日(木)に行われた合同授業では本学の大学院生が「自然災害やコロナ禍で実施されている/された台湾での多言語支援」について報告しました。
写真① 地震についての発表の様子
一つのグループは、2024年4月3日に起きた花蓮県の地震を例に挙げ、「403地震における多言語支援」について発表しました。発表では、台湾の中央災害対応センター(CEOC)から発信された中国語、英語の緊急地震速報やエスニックメディアから発信された災害情報について報告がありました。また、近年、外国人市民向けに開発された「全民防災e點通」という多言語機能が付いたアプリ(APP)を紹介し、外国人市民がこのアプリをどれくらい認知しているか、使用しているのかについて、インタビュー結果の説明がありました。一方、もう一つのグループは2020年に発生した新型コロナウイルス感染症を取り上げ、「コロナ禍における台湾での多言語支援」について報告しました。発表では、「1990馬上幫您」という外国人市民への多言語支援や多言語支援の不足が原因で起きた事件が報告されました。また、台湾で外国人市民への多言語支援がはじまるきっかけになった社会背景についても説明されました。
発表後、県立大学の大学院生や教員から、緊急地震速報を多言語化する必要性の有無や「やさしい中国語」で災害情報を発信する可能性などの質問があり、活発に意見が交わされました。愛知県立大学国際文化研究科の中でも「コミュニティ通訳学コース」の院生の参加が多く、今回のテーマには、大きな関心が寄せられました。
台湾と日本は、地震や台風など、自然災害が多いという共通の課題を抱えています。社会の多言語化、多文化化が進むにつれ、多言語支援に関する課題は今後も増えることが予想されます。そのため、台湾と日本の現状についてお互いに理解を深め、学び合うために、本学科の大学院と愛知県立大学国際文化研究科は連携し、今後も合同で授業を行う予定です。
写真② コロナ禍についての発表と質疑応答の様子